「技の記」勧行寺新本堂の建設記録
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「勧行寺」の建設記録がまとまり、冊子ができました。
建設に携わった、多くの職人さんの技術について、
主に書いています。

鉄骨屋根、手作りガラス、菱形タイル、宮殿(厨子)、左官、
羽目板、籐椅子、カーペット、造園・・・

「造園」の内容については、小林が執筆しました。
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(一部抜粋)

「かつて勧業寺の庭は、ツツジが歳事を彩り、小径を登ったところからは、横浜の市街地と海が望めたといわれる。しかし本堂と庫裡に囲い込まれ、庫裡の座敷からしか庭を眺めることができなかった。

 近年は、庭に出たり小径を登る方もなく、手のはいることのないままに、雑木が茂り、池は度々の崩れで岩や土に埋もれがちであった。だが、洞窟のうがたれた岩崖は高く、屏風のような姿と迫力は、遠い昔、門前までが海であったことを偲ばせるし、常緑樹の中にうもれながらも、サクラやカエデが大きく枝を伸ばしていた。

 裏山の小径から横浜を眺めたことのある茂木先生が、本堂の建て替えを期に『横浜駅からこんな近くに、このような自然が残されてきたことを、大切な資産として、生かし、蘇らせ、伝え残したい。』と発心されたことが、庭再生の始まりとなった。

   遇嚴無辺   鎮池平穏
   知風来迎   祈菱衆生

との文字が書き込まれた一葉のスケッチが茂木先生から手渡され、そこには、庭と本堂・栗とが一体となった勧業寺境内全体の世界が示されていた。深い緑の山、仏様が来迎する雲、岩崖とそこに穿たれた洞窟、崖の際までの池水、本堂の屋根の菱形、緑の中腹には古くからある石塔が描き込まれていた。灯のともった厨子は庭の中に置かれているようでもある。それは先生の考えた来迎図であり、庭のデザインの基となった。」

※茂木先生(茂木計一郎先生)は、勧行寺の設計統括者であり、小林の恩師でもある。この勧行寺が遺作となった。
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by kob-assoc | 2010-05-18 09:19 | 勧行寺
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